2007年12月04日

愛すべきB級ホラーたち

 読売新聞の文化面には「つれづれ」というミニコーナーがある。
 毎週別々の記者が異なるテーマを決めて、それに関する個人的な話などをとりとめなく綴っているコーナーなのだが、先週までこのコーナーで「B級ホラー人生」と題した、執筆担当記者のB級ホラー映画に対する思い出が掲載されていた。
 この内容が同じホラー映画好きとして、非常に共感できるものだったのでおかしくなってしまった。

 月曜日分はもう捨ててしまったので手元にないが、火曜日分は映画「スナッフ」の話だった。
 この映画についての詳しい話はこちらを参照してもらえればわかるけど(そっち方面の映画に耐性のない人は一応注意してください。変な画像とかはないです。)、要は「実際の殺人シーンを撮影した映画」として売り出した映画で、公開当時は結構な話題になったらしい。
 以前近所にあったレンタルショップにビデオはあったのだけど、借りる前につぶれてしまったので、結局今に至るまで見ることは叶っていないのだけど、リンク先にもあるとおり、実際はその「本当の殺人シーン」は当時としてもかなり稚拙なメイクで表現されており、一目でやらせとわかる程度の出来栄えだったらしい。
 それについての思い出が掲載されていたので、僕もビデオを借りたくても借りられなかった昔のもどかしい気持ちを思い出して、思わず苦笑してしまったものだ。
 一応DVDも出てはいるみたいだけど、わざわざ買ってまで見たい作品でもないだろうからなあ。

 木曜日分は雑誌「ホラー・ワールド」についての思い出。僕はさすがにこの雑誌については全然知らないのだが、なんでも2号までで廃刊になってしまった幻の雑誌らしい。
 僕にとってのこの種の雑誌は「ファンゴリア」だったかなあ。クリストファー・リーのインタビュー記事なんかが載ってて喜んだりしたものだった。
 この木曜日分では、いつの間にか失われてしまった「まだ見ぬホラーへの憧れ」についての郷愁のようなものが扱われていたが、確かに僕も中学生くらいの頃は、いろいろなホラーが見たくて見たくてしょうがなかったという思いがあった。
 さっきも書いたが、一応近所のレンタルショップにビデオはあったものの、さすがに当時の子供の小遣いでは、ホラー映画のレンタルにまで金が回らなかったこともあって、レンタルショップに行くたびにパッケージだけを眺めて、見たことのないホラー映画に思いを馳せたりしたものだった。
 と言うか小学生の時点で、近所のレコード屋(古い表現!)においてあった、当時まだ高級品であるレーザーディスクのパッケージだけ眺めて、「この映画見てみたいなあ」と思ってたりしたからなあ。
 ホラー映画って、一般的な映画とは違って雑誌などでもあまり紹介されることはないし、ソフト化なんてそれこそ一般映画に比べるとされにくいものばっかりだったから、ホラー映画ファンってのは必ず一回はこういう鬱屈と言うか、忸怩たる思いを味わったことがあると思うんだよね。
 この記事を読んでいて、僕もそんな思いばかり味わっていた子供の頃を思い出して懐かしくなってしまった。

 金曜日分は「死霊のはらわた」を見に行った時のことが書かれており、記者本人はこの映画のあまりにストレートな描写の数々につい笑ってしまったが、そのために一緒に来ていた女友達からは冷たい目で見られてしまったという、悲しい?思い出が書かれていた。
 確かに近年でも、例えば僕の大好きな「フレディVSジェイソン」なんてのは、僕から見れば完全なギャグと言うか、ホラーコメディに属する映画なんだけど、あまりホラーが好きではない一般層からすれば、そうではないのかもしれないね。
 だって中盤のパーティ会場で暴れまわるジェイソンの雄姿(笑)は、どう見たって笑いどころでしょ。
 この「死霊のはらわた」とか「バタリアン」、または「ブレインデッド」なんかも含めて、グロ描写をとことんまで突き詰めると、やはりコメディタッチになってしまうんだよね。現に死霊のはらわたシリーズの3作目である「キャプテン・スーパーマーケット」なんかは、ほぼ完全なコメディだし。
 しかしあのパワフルな「死霊のはらわた」を撮影したのが、当時21歳のサム・ライミだというんだから、やはり出来る人は違うんですなあ。
 そう言えば「ブレインデッド」の監督はピーター・ジャクソンだったっけ。あの人はデビュー作からして「バッドテイスト」だったからなあ。

 とまあ、記事の内容にはまとめとかオチもない、本当につれづれと書かれているだけだったのだけども、それでも僕には非常に共感できる部分が多かった。
 小さいとは言え、読売新聞と言う所謂「四大紙」の記事としてB級ホラーが上がったことも、なんか個人的には嬉しいものだったり。

 あーあ、また13金とか見たくなってきちゃったなあ〜。
posted by 銀河満月 at 01:11| Comment(0) | TrackBack(1) | ホラー映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年03月08日

「666」の刻印、再び

 「オーメン」をリメイクするらしい。

 初めてオーメンを見たのは高校生くらいの時だったと思うけど、当時既にある程度のホラー映画を見て、にわかホラーファンを気取っていた僕にとって、この映画や「エクソシスト」はある意味衝撃的だった(今になって考えると、ホラー映画の「見る順番」を激しく間違っていたためだが)。
 一言で言えば「綺麗な画」なのだ。格調高いというか、ある種荘厳と言うか、人が殺されるシーンであっても、そこに一つの「残酷美」とでも言うべきものが存在している。13金シリーズなどに代表されるような、ただショッキング性を重視しているだけのシーンではない、もちろん人が死ぬシーンには変わりないんだけど、惨殺と言うショッキングなファクターだけでなく、あくまで「映画のシーン」として完成されていたように思う。
 随所に挿入される「逆十字」を暗示させるシーンと言い、「計算しつくされた恐怖」と言うのはこういうものを言うのだな、と認識させられるほどに、作品に見入ってしまった。「ローズマリーの赤ちゃん」もこの頃に見ることが出来たのだけど、あのじわじわ迫り来る得体の知れない恐怖感の描写も絶品だった。
 肝心要の「悪魔の子」が一度も画面に映っていないのにもかかわらず、あの恐怖感を維持することが出来たのは、正に神業としか言いようがない。幽霊やらなんやらを臆面もなく前面に押し出して、「新しいジャパニーズホラーだ」とか言って調子に乗ってる人達に、是非一度見てもらいたいものである。

 と、思い出話をしてしまったが、そんな思い出深いオーメンのリメイク作が公開されると言う。しかも今年の6月6日、つまり200「6」年「6」月「6」日に一斉公開を目指していると言う。
 …なかなか味なことをしてくれるじゃないですか。こういう粋な計らいはいいですなあ。日本でも何とか6月6日に公開して欲しいもんです。仮にやったとしても、僕は見に行けないだろうが(笑)。
posted by 銀河満月 at 23:24| Comment(0) | TrackBack(0) | ホラー映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年07月08日

やっぱベッツィ・パルマー呼んで欲しかった

 サクラXは6話までクリア。全部で何話あるんだろうねえ。一応ジェミニ狙いで話を進めているけど、プレイしてると他のキャラにも自然と愛着がわいてきてしまうから、なんとも不思議なものだ。
 そういや今回は我らが大神隊長の名台詞「体が勝手にシャワー室に…」に該当する言葉を聞いていない気がするけど、出てこないのか、それとも単に見逃しているだけなのか。

 で、昨日はフレディVSジェイソンが放送された。何でも「闘魂祭」とかいう、木曜洋画劇場の特別プログラムの一環で放送されたようだけど、その第一弾にホラーを持ってくるあたり、さすが木曜洋画劇場と言うべきか。
 冒頭から(当たり前だけど)フレディ=青野武の声が響いて、思わずニヤニヤしてしまう。やっぱテレビ吹替え版は青野武じゃないとなあ。メインタイトルが出る前のフレディの笑い声もちゃんと吹替えていてくれたのは嬉しかった。その代わりメインタイトルバックそのものはなぜかカットされてしまっていたけども。
 あとはやっぱり残虐シーン関連が総じてカットの対象になってたねえ。首チョンパやら首180度捻りの瞬間やら胴体二分割の瞬間やらがカットされてしまっていた。その割りに序盤の人体二つ折りが普通に流れていたのが不思議なんだけど。
 でもやっぱ面白かったねえ。中盤のジェイソン活躍シーンはもちろんとしても、夢の世界でジェイソンとフレディが対峙するシーンなんて、これは何のヒーロー映画ですかって感じの盛り上がり。終盤の血みどろバトル、粋なラストも含めて、かなり高レベルの「イベント系ホラー映画」としてまとまっていると思う。
 ただ大真面目なホラー映画を求めて見るとバカを見ると思うんで、その辺は注意。
posted by 銀河満月 at 22:54| Comment(0) | TrackBack(0) | ホラー映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年06月25日

血みどろガチンコバトル、地上波で放送!

 どうでもいいけど「ガチンコ」って言葉、あんまり好きじゃないなあ(じゃあ使うな)。

 そんなことはまったくどうでもよく、来週の木曜洋画劇場にて「フレディVSジェイソン」が放送されるとのこと。おお、2003年度個人的映画ランキングでダントツの1位となった快作が、なんと地上波に登場だ!
 規制の厳しい昨今、ホラー映画がゴールデンに放送されること自体、ほとんどなくなってしまっただけに、これは素直に嬉しいですなあ。
 と言っても映画そのものは確か15Rだったから、要所要所はカットされてしまうんだろうけどね、残念。と言うか「血のバレンタイン」じゃあるまいし、ホラー映画で残酷シーンをカットしたら、何も残らないと思うんだけど。
 ま、そこらへんは仕方ないとは言え、それらを差し引いても面白く出来上がっていることは言うまでもない。やっぱ中盤のジェイソン大活躍とラストのフレジェイ一大バトルは必見ですね。「13日の金曜日」「エルム街の悪夢」どちらかの作品に一度でも触れたことのある人ならば、絶対に見て損はしないと断言します。責任は取らないけどね(笑)。

 個人的に嬉しいのはフレディの吹替が青野武だってことですな。エルム街4と5を吹替版で見た身としては、やはりフレディの吹替は彼でないとしっくりこない。ついでにアリスは我らがお姉ちゃんこと井上喜久子ね(笑)。
 そう言えばエルム街シリーズを吹替で見たのはその2つだけだったな。1はレンタルで借りてみたし、2、3、6はテレビで見たけど字幕だった(リアルナイトメアは見てない)。
 その点で行くと13金の方は結構吹替を見たことが多いなあ。と、じっくり考えてみると、僕が知らない吹替版って7とXだけだな。この2作にはテレビ版の吹替は存在するんだろうか。

 13金の吹替声優は色々バラエティーに富んでたなあ。
 1だと自分の見たバージョンでは小山茉美(主役)、よこざわけい子(斧で顔面ぶっ叩かれた人)、古川登志夫(お調子者)、富山敬(ヒゲメガネ)、丸山裕子(ジェイソンママ)なんかがいたな。ケビン・ベーコンは誰がやったかわかんなかった。
 2は1で小山茉美がやってたアリス役は深見梨加だった。それくらいしかわかんなかった。3も塩谷翼がわかったくらいだな。あ、玄田哲章もいたはず。
 完結編はなんと言ってもトミー・ジャービス役に、変声前の浪川大輔。あとは小山茉美(トミーの姉ちゃん)とか三ツ矢雄二とか鈴置洋孝とか。特に最後の2人はファンには有名なテディ&ジミーを演じてただけに、えらく印象に残ってる。
 5は堀絢子(黒人の子供)とか鵜飼るみ子(素っ裸で死んだ爆乳姉ちゃん)とか塩沢兼人とか。塩沢氏はトミーの声だったんで、ほとんど声を聞けなかったよ。
 6は三ツ矢雄二以外はあんまり覚えてない。8は主役の男女が水谷優子と松本保典だった。命日以降は地上波で放送されても見なかったんで知らない。それ以前にXはどこかで放送されたことはあったのか?命日のビデオ版吹替で久川綾が出てたのは覚えてるんだが。

 なんかえらくマニアックな思い出話になっちゃったな。ま、これは吹替え版を見る時の(B級)映画ファンの楽しみでもあるんだけどね。とにかくフレジェイは本当に面白いですから、一度見てみてくださいな。

 ちなみに皆さん、13金シリーズを一度でも見た人なら分かるアノ効果音がありますね。そう「シッシッシッ…ハッハッハッ…」ってやつ。あれは単なる効果音じゃなくて、ちゃんとした言葉なんですよ。その言葉とは何なのか、調べるのも楽しいかも?
posted by 銀河満月 at 16:28| Comment(0) | TrackBack(1) | ホラー映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする