以前にも書いたことだが、僕はファミコン時代のロックマンシリーズが大好きである。
理由を改めて書くことはしないけども、あの頃のシリーズが持っていた魅力に完全にはまっていたことは確かである。
さて、そんなロックマンシリーズについて、僕と同じようなファミコン世代の人とたまに話をする機会があるのだが、そのような時に決まって話題になるのは、BGMのことだ。
実際、シリーズそのものに深い思い入れのない人でも、ゲームの難しさと音楽についてだけは、かなりよく覚えていると言うことが、ままある。
音楽と言ってみたって、今時のゲームのように楽器等から直接音を取り込んだわけではないし、ドラクエシリーズのように有名作曲家が作曲したものでもない。あくまで当時の技術で表現可能な機械音を組み合わせたものに過ぎないのだ。
にもかかわらず、ロックマンシリーズの曲は数多くの人の心に残り、今なお魅了している。
ファミコン版の1〜6に限って、ざっと振り返ってみると、さすがに「1」の頃は、まだ「これ」と呼べるような曲は、そんなにはない。ただカットマンステージの曲のように、ステージそのもののイメージとは少し異なる雰囲気の曲を、ステージBGMに当てるという伝統?は、既に1の時点で行われている。
やはりBGMの魅力が全開になるのは、「2」からだろう。特にOP曲は代表的であり白眉だ。
前作ED曲のイントロアレンジから始まり、上へのスクロールが早まるにつれてテンポが速くなり、タイトルが表示された時点で炸裂するメインOP曲。まるでアニメ映画の開巻部を見ているかのような見事なオープニングは、グラフィックの動きにマッチした高揚感溢れるこのBGMあってこそ、完成したと言えるだろう。
ステージBGMも、エアーマンステージやバブルマンステージのように、ステージのイメージに沿った曲もあれば、クラッシュマンステージやクイックマンステージのように、イメージとは異なる雰囲気の曲が混在しており、さらにはヒートマンステージのように、低音域で全体をまとめている渋い曲もあったりして、バラエティ豊かな布陣となっていた。
ワイリーステージ1の曲や、ラストステージの「雫」の演出については、今更語るべくもないだろう。
「3」は「2」とは少し異なり、全体的に悲壮感溢れる、切迫感漂う曲で占められている。軽快なイメージの曲は、8大ボスステージの中でスネークマンステージ程度にしか存在しないのが、いい例だ。
「3」は全体的に暗い雰囲気を漂わせており、それはワイリーステージに入って顕著になる。ワイリーステージ用の曲は3つ用意され、さらにボス戦BGMは、8大ボス時とは異なるBGMが使用されるなど、豪華ではあるのだが、ここにもプレイヤーの焦燥感を駆り立てるような、アダルトな雰囲気漂う曲がほとんどとなっている。
エピローグに流れる、ブルースの口笛から始まる曲も、政党はアクションゲームのエンディングに流れる曲としては、あまりに物悲しい曲だった(無論それがいいのだけど)。
「1」〜「3」だけで随分書いてしまったので、「4」〜「6」はまたいずれ。
実際は各ステージの曲についてあれこれ書きたいのだが、さすがにそれは面倒なもので。
しかし今のように高水準の音源を使用できたわけでもない、ファミコン時代の曲にもかかわらず、今もって鮮明に思い出して語ることが出来るとは、改めてこれらの曲が持っていたパワーを思い知らされる。
懐古するわけではないが、最近のゲームで10年後も語られる「思い出に残る曲」は、果たしてどれだけあるのだろうか?