今週分の放送でめでたくセカンドシーズン終了を迎えた、FOXチャンネルで放送されていた「Dr.HOUSE」がそれだ。
このドラマは簡単に言えば「医療もの」のドラマなんだけど、良くある「医者と患者の触れ合い」とか、「医療スタッフの群像劇」が主体ではなく、とある大学病院を舞台に、そこに担ぎ込まれた患者が抱える原因不明の症状から、真の病名を突き止めるまでを描くものになっている。
この「患者を苦しめる病気が何なのかを突き止める」のが、このドラマの最大の肝なので、本国では「医療版シャーロック・ホームズ」などとも呼ばれているらしい(日本では「US版『ブラックジャック』とも)。
そしてこのドラマの主役であるグレゴリー・ハウス医師が、また非常に面白く、強烈な個性の持ち主なのだ。
知識も技量も確かな天才であるにもかかわらず白衣や一般的な診療業務を嫌い、自分自身も以前病気にかかった際の影響で、右足の筋肉を失っており、その足の痛みを抑える鎮痛剤の薬物依存状態にある。
人間嫌いを公言し、絶えず相手を挑発するような言動・行動を取り、ある時は患者を騙してまで別の治療を行い、またある時は原因を探るため、部下に患者の自宅へ(恐らく不法に)侵入させて調査させてしまう。
端的な言葉で言えば、まさに「型破り」の医師なのである。
しかし単なる無茶苦茶な医者では決してなく、何よりも患者の命を救うことを第一に考えている、ある意味本当に医者らしい医者でもあるのだ。
彼の手段を選ばない行動は、あくまでも患者の命を救うためのものであると言う、彼なりのヒューマニズムと言うか、哲学的なものが根底にある。その部分に大いに惹かれてしまったわけだ。
普通に考えればアウトローな存在なのだが、そこにこそハウスと言う人間の魅力があると言っていい。
そうかと思えば、旧友であるウィルソン医師とは、しばしば子供じみた遠慮のないやり取りをしてみせたりして、超然とした存在ではない、素の人間臭い部分もまた魅力的なのである。
もちろん彼の上司や部下、また毎回登場するメインの患者、そして診察シーンに出てくる患者まで、どれもこれも強烈な個性を発揮しているのが面白い。
また、毎回登場する患者達が抱える「病気」も特殊なものばかりで、そのためにハウスたちは本当の病気が何なのかを見破ることが出来ず、毎回何度も診断を誤ることになる。
このドラマに関して言えば、病気そのものも「ドラマのキャラクター」というカテゴリの、いち個性として成り立っていると言えなくもないのだ。
その病気や病気が発祥するに至った理由も含め、かなりきわどい描写も多く(たぶん日本ドラマではタブーが邪魔して表現できないと思う)、そういった部分が徹底的に暴かれていく様を見ると、確かにミステリードラマを見ているような高揚感を味わうことが出来るだろう。
さらに言えば海外ドラマだけあって、捻りのきいた会話も楽しい。
「末期ガンに打つ手はあるか?」「棺の用意を。」なんてやり取り、日本のドラマじゃまずお目にかかることはないだろう。
FOXチャンネルでは今週放送分でセカンドシーズンは終了し、ファーストシーズンの再放送も先頃終了した。
本国では第4シーズンが開始しているとのことなので、日本でも早く第3シーズンを放送して欲しいところである。
しかし問題なのは、FOXチャンネルの放送形態。CMあけとかに入る宣伝用のチャンネルロゴが物凄く邪魔なんだよね。字幕まで読みにくくなるし、あれだけは本当にウザイ。
本国では視聴率もだいぶ良いようだし、日本でもDVDが出てくれれば一番良いのだけどね。
しかし海外ドラマと言っても、「24」とか「プリズンブレイク」とかじゃなくて、こういうマイナーなドラマに夢中になってしまうあたり、もはや僕の宿命なのかねえ?
足をひきずりながら
個性発揮でした
カディや同僚との関係も面白いでした
始めまして。
ハウスはハウス本人の個性も面白いですが、上司や部下の個性も独特で良かったですね。
個人的にはウィルソンとの子供っぽいやり取りが好きでした。
第1シーズン5話のラストでの、2人で談笑しながら食事をしているシーンが、特に印象に残っています。