毎週別々の記者が異なるテーマを決めて、それに関する個人的な話などをとりとめなく綴っているコーナーなのだが、先週までこのコーナーで「B級ホラー人生」と題した、執筆担当記者のB級ホラー映画に対する思い出が掲載されていた。
この内容が同じホラー映画好きとして、非常に共感できるものだったのでおかしくなってしまった。
月曜日分はもう捨ててしまったので手元にないが、火曜日分は映画「スナッフ」の話だった。
この映画についての詳しい話はこちらを参照してもらえればわかるけど(そっち方面の映画に耐性のない人は一応注意してください。変な画像とかはないです。)、要は「実際の殺人シーンを撮影した映画」として売り出した映画で、公開当時は結構な話題になったらしい。
以前近所にあったレンタルショップにビデオはあったのだけど、借りる前につぶれてしまったので、結局今に至るまで見ることは叶っていないのだけど、リンク先にもあるとおり、実際はその「本当の殺人シーン」は当時としてもかなり稚拙なメイクで表現されており、一目でやらせとわかる程度の出来栄えだったらしい。
それについての思い出が掲載されていたので、僕もビデオを借りたくても借りられなかった昔のもどかしい気持ちを思い出して、思わず苦笑してしまったものだ。
一応DVDも出てはいるみたいだけど、わざわざ買ってまで見たい作品でもないだろうからなあ。
木曜日分は雑誌「ホラー・ワールド」についての思い出。僕はさすがにこの雑誌については全然知らないのだが、なんでも2号までで廃刊になってしまった幻の雑誌らしい。
僕にとってのこの種の雑誌は「ファンゴリア」だったかなあ。クリストファー・リーのインタビュー記事なんかが載ってて喜んだりしたものだった。
この木曜日分では、いつの間にか失われてしまった「まだ見ぬホラーへの憧れ」についての郷愁のようなものが扱われていたが、確かに僕も中学生くらいの頃は、いろいろなホラーが見たくて見たくてしょうがなかったという思いがあった。
さっきも書いたが、一応近所のレンタルショップにビデオはあったものの、さすがに当時の子供の小遣いでは、ホラー映画のレンタルにまで金が回らなかったこともあって、レンタルショップに行くたびにパッケージだけを眺めて、見たことのないホラー映画に思いを馳せたりしたものだった。
と言うか小学生の時点で、近所のレコード屋(古い表現!)においてあった、当時まだ高級品であるレーザーディスクのパッケージだけ眺めて、「この映画見てみたいなあ」と思ってたりしたからなあ。
ホラー映画って、一般的な映画とは違って雑誌などでもあまり紹介されることはないし、ソフト化なんてそれこそ一般映画に比べるとされにくいものばっかりだったから、ホラー映画ファンってのは必ず一回はこういう鬱屈と言うか、忸怩たる思いを味わったことがあると思うんだよね。
この記事を読んでいて、僕もそんな思いばかり味わっていた子供の頃を思い出して懐かしくなってしまった。
金曜日分は「死霊のはらわた」を見に行った時のことが書かれており、記者本人はこの映画のあまりにストレートな描写の数々につい笑ってしまったが、そのために一緒に来ていた女友達からは冷たい目で見られてしまったという、悲しい?思い出が書かれていた。
確かに近年でも、例えば僕の大好きな「フレディVSジェイソン」なんてのは、僕から見れば完全なギャグと言うか、ホラーコメディに属する映画なんだけど、あまりホラーが好きではない一般層からすれば、そうではないのかもしれないね。
だって中盤のパーティ会場で暴れまわるジェイソンの雄姿(笑)は、どう見たって笑いどころでしょ。
この「死霊のはらわた」とか「バタリアン」、または「ブレインデッド」なんかも含めて、グロ描写をとことんまで突き詰めると、やはりコメディタッチになってしまうんだよね。現に死霊のはらわたシリーズの3作目である「キャプテン・スーパーマーケット」なんかは、ほぼ完全なコメディだし。
しかしあのパワフルな「死霊のはらわた」を撮影したのが、当時21歳のサム・ライミだというんだから、やはり出来る人は違うんですなあ。
そう言えば「ブレインデッド」の監督はピーター・ジャクソンだったっけ。あの人はデビュー作からして「バッドテイスト」だったからなあ。
とまあ、記事の内容にはまとめとかオチもない、本当につれづれと書かれているだけだったのだけども、それでも僕には非常に共感できる部分が多かった。
小さいとは言え、読売新聞と言う所謂「四大紙」の記事としてB級ホラーが上がったことも、なんか個人的には嬉しいものだったり。
あーあ、また13金とか見たくなってきちゃったなあ〜。