2007年12月03日

ゲゲゲの鬼太郎(5期)35話「死神の極楽ツアー」感想

 なんだかんだで5期鬼太郎ももうすぐ第3クールを終了するね。
 放送は延長されるのだろうかどうなのか。1年のみの放送だとしても、今の時点では後番組に何が来るかなんて発表されないだろうから、延長するかどうかもまだわからんなあ。
 今期は商品展開を見る限り、バンダイはあまり力を入れていないようだから、延長するか否かの判断は視聴率で決まると思うんだけど、どんなもんなんだろうね。

 今回の話は「死神」。と言ってもサンデー版の原作と言うよりは、「サラリーマン死神」シリーズ、引いては2期に登場したサラリーマンの死神一家をモチーフにした話となっていた。
 子供の名前が「骨太」で妻の名前が「青子」とまでなってるんだから、そりゃ2期を意識していると判断しない方が不自然だ。
 死神に番号がついているのも2期の最終回へのオマージュかな?

 今回も脚本担当・吉田氏お得意の家族愛・親子愛がテーマとなっており、そのせいもあって悪事を働く死神は、ハワイからやってきた死神・マヒマヒになっていた。この「外国から来た死神」と言う設定も、2期最終回から取ってきたのかな。
 もっと言えば死神が「優しすぎて魂を回収できない」という設定は週刊実話版の「ダメな死神」から取ってきているのだろうか。模しそうだとしたら、制作陣の原作精通度はかなりのものなんだけど。

 死神は家族、とりわけ横丁のみんなと温泉に行きたいのに行くことの出来ない息子のためにも、何とかしたいとは思いながら、自分の性格が災いして失敗ばかりしてしまい、ノルマは上がらずクビまで宣告されてしまう始末。
 このあたりの所謂「サラリーマンの悲哀」的な描写は、最近では「yes!プリキュア5」で毎回描写されているが、確かにこの父親死神のジレンマは子供にはわからんわな(笑)。こればかりは大人になって実際に自分で働いてみないとわからないことだろう。
 ノルマ達成を要求する上司にしてみたところで、サラリーマンである以上ノルマを達成しなくちゃならんのは当然なわけ(そういう契約の元に働いてるんだからね)で、上司は別に悪人ではないし、死神百号もごくごく当たり前の仕事を当たり前にこなしているだけで、別に嫌な奴と言う位置づけは成されていない。
 そういう意味では父親死神の周辺には明確な「悪人」が存在しないのだ。だからこそリーマンと言うのは辛いわけだし、見ているこっちも身につまされるってわけ(笑)。
 ま、ここで普通のリーマンなら上司あたりを強引に「悪役」にしたてて文句ばかり言うもんだけど、そういうことも一切してないところからして、父親死神の人の良さが窺い知れるというものだろう。

 骨太はそんな父親の心情を十分理解できていなかったから、単に魂を集めるためだけに、マヒマヒの悪事に加担してしまう。
 このあたりの親子のすれ違いから、そんな中で親の子を想う気持ちに気づいた骨太が考えを改める、と言う流れはオーソドックスな展開なのだが、骨太というキャラクターがきちんとキャラ立ちしていたおかげもあって、それほどくどさを感じることなく見入ることが出来た。
 ラストの親子で抱き合う姿も、ぶっちゃけて言えば本来の問題(ノルマとかクビの話)は解決していないのだけども、人情を優先してハッピーエンドとする、後味の良い終わり方になっていたと思う。
 出来るならこの親子のその後の話も描いて欲しいところだけど、さすがにこれは無理かな。

 と、一応上で真面目なことを書いてきたけども、今回は細かい部分で色々ぶっ飛んでいて、なかなかカオスな内容になっていたのも見逃せない部分である。
 まず肝心の温泉が、普通の人間が営んでいる普通の温泉宿と言うところからして、既に変である。
 鬼太郎やねずみ男ならともかく、あの顔の骨太が普通に働いていても誰も何も言わないと言う、なんとも不思議な空間が構築されていた。
 このあたりも原作に通じる「なんでもあり」な感じが強調されていて、よく仕上がっていたと思う。
 鬼太郎も西洋妖怪編で苦労の末に指鉄砲を習得したはずだったのだが、今回はなんと射的の際に披露してしまったりして、何だそりゃという感じ。
 個人的には鬼太郎は設定でガチガチにするような作品ではないと思うから、この辺のアバウトさがいい意味で作品に貢献してくれればいいのだけどね。
 今話で何が一番すごかったかって、先週の予告では流れていた男性陣の入浴シーンがばっさりカットされ、女性陣のみが流されていたことだな(笑)。
 他にもいつにもまして鬼太郎にデレデレなネコ娘や、サングラスをかけた鬼太郎など、ビジュアル的にも面白いシーンが続出しており、普通に見て損のない一編に仕上がっている。
 横丁の面々が大挙登場してののんびりした話として、肩の力を抜いて楽しむのが一番だろう。
 そう言えばマヒマヒの声は檜山修之だったけど、ねずみ男の高木渉とはプリキュア5と同じコンビになっていたわけだね。
 さらに言えば昨日は電王のイマジンとしても高木渉は出演していたから、まさに昨日はスーパー高木渉タイムだったわけだ(笑)。

 本編はそんな感じで楽しかったのだが、1つ気になったのは次回の予告。
 見た限り八島作監のようなのだが、前々話で担当してもう出番が回ってくるとは、ローテを考えても早すぎる気がする。
 スタッフ内で何らかの動きがあったと見るのは穿ちすぎだろうか。
 こういう作画スタッフのローテ変更って、単純な人員変更か、「同作品の特殊な話」にスタッフが一時移動しているかだと思うんだが、さて…?
posted by 銀河満月 at 01:20| Comment(2) | TrackBack(1) | ゲゲゲの鬼太郎(第5期)感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
3月末にゲゲゲハウスの玩具が発売されるようなので、どうやら延長は確定ですかね。
http://www.fpara.jp/shop/ProductDetail.do?id=120108809

それにしても、ゲゲゲハウスなんて鬼太郎玩具の定番商品だというのに、発売するタイミングがいくらなんでも遅すぎですね。
食玩でなら今年の春頃に出てましたが…。
Posted by gm at 2007年12月13日 13:20
>gmさん
情報ありがとうございます。
しかし3月末ですか…。確かにそんな時期に発売すると言うことは、2年目は確定でしょうね。
しかしこんな時期に発売すると言うことは、バンダイとしても今期の鬼太郎にはさほど商品として期待していなかったのだと思います。
遅きに失したと言うことにならなければ良いのですが…。
Posted by 銀河満月 at 2007年12月17日 00:58
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