2019年02月17日

ゲゲゲの鬼太郎(第6期)39話「雪女純白恋愛白書」感想

 うん、面白い。3期以降の歴代ねこ娘声優が集まるという話題性を抜きにしても、ラブコメの定石も種族の違う男女の恋愛劇もそつなく見せており、それでいてこの種の話だと出番が本当になさそうな鬼太郎にもメインストーリーの埒外で(これもコメディタッチの)出番を作っており、脚本も演出も絶妙なバランスで成り立ったグレードの高いコメディに仕上がっている。
 鬼太郎に出てくる雪女と言えば原作的には雪ん子回に出てくる冷凍妖怪の1人であるが、アニメの古参ファンであれば5期の巨乳雪女・葵ちゃんを思い出すところだろうか。今回登場の雪女・ゆきはいかにも「雪女」という感じのクールビューティーな見た目(別に中の人がかつて演じたキュアビューティにかけているわけではない)だが、恋愛ごとに関して非常に疎い面は一種の天然っぽい雰囲気も見せており、感情移入しやすい可愛らしさも発揮していて好印象。
 お相手の暑苦しい男・俊(演じるは5期でミイラ男のバルモンドも演じていた森田成一氏)との対照的なバランスもラブコメぶりに拍車をかけており、それでいてゆきを想う気持ちは本当に一途で真っ当なもので、その暑さがいつの間にかゆきの中で好意的なものとして根付いており、それがねこ娘やまなとのやりとりの中で偶発的に気づくというシチュエーションはその直後、沼御前と一緒にいる俊の姿を見て初めて嫉妬心を覚える描写も含め、正しく恋愛劇のそれであった。
 妖怪と人間の恋愛譚と言えばこれまた5期でのろくろ首と鷲尾とのものがあり、こちらは今回のような種族の違い故の問題はさほど提起されることはなかったが、5期91話の一つ目小僧回で若干提示されていたことを踏まえて3年目も放送されていたらその辺りに突っ込んだ話もあったのかもしれないと想像してみると、今話はコメディの体裁ではあるものの5期で描ききれなかった一つ先の話を描いたと取れなくもないだろう。その最たるものは人間の方がどうしても先に寿命を迎えてしまうというところだが、「愛があるならそれでもやって行けるだろう」という理想的なハッピーエンドを今回は迎えられており、いささか理想に過ぎると思われる向きもあるかもしれないが、ゆきの母親の言葉からするとその理想の結果として生まれた存在がゆきであるのだろうから今話、引いては6期の世界ではこれでいいのだろう。こちらとしても視聴後感は心地よくて良いしね。
 鬼太郎側の描写でおかしかったのはやはり恋愛とは何かと聞かれて説明するうち自分のことを話している風になってしまうねこ娘の様子だろうか。ねずみ男から渡された恋愛シミュレーションゲームをやる羽目になって寝不足になってしまった鬼太郎や、鬼太郎と反対に妙にやる気の目玉親父と、その鬼太郎と相対する妖怪が5期ねこ娘役の今野宏美氏演じる沼御前だったことも含め、今話は全体的に5期っぽさがそこかしこに漂う話であったとも言える。
 もちろん冒頭に述べた歴代ねこ娘声優の共演も僕のようなオールドファンには嬉しいサービスだった。ゆきの母親役だった三田ゆう子氏とゆき役の西村ちなみ氏は4期48話で、西村氏と今野氏は5期96話で共演経験があるものの、全員が一堂に会したのは勿論今回が初めてのことであり、半世紀に渡って続いてきたアニメ版ゲゲゲの鬼太郎ならではのちょっとしたお祭りであった。
 この調子で5期映画の5大鬼太郎みたいにいつか6人の鬼太郎が勢揃いしてくれたら非常に嬉しいのだけど、ま、夢は夢のままでも、ね。

 次回はさら小僧。さら小僧と言えば「ぺったらぺたらこ」。こちらも歴代アニメではコメディだったり怪奇話だったりと様々なアプローチが成されているのだが今期ではどのように料理するだろうか。
posted by 銀河満月 at 12:14| Comment(0) | ゲゲゲの鬼太郎(第6期)感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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