伝承どおりの妖怪たちが現代の文化や風俗の中でのし上がっていくものの、その中での矛盾に気づき結局自分の思い描いていた理想がかなっていないことに焦って人間に対し牙をむく、という全体の流れが完全に9話と同じで、悪く言えば単なる焼き直しになってしまっている印象が拭えない。
9話と違う良点と言えば29話での一部和解や30話での共闘を経て、すっかり鬼太郎とも角を立てることなく行動できるようになったアニエスの描写がきちんと挟まれているというところだが、これは今話の本筋には関係のない部分でもあるので、今話の相対的な評価アップとはならないかなあという感じ。
ただ逆を言えば昔ながらの生き方と現代的な生き方とのギャップで苦しむ妖怪、というテーマで描くとなると、その見せ方はある程度固定化されてしまうと言えなくもなく、あまり応用の利く題材でもないのだろう。その場合はキャラクターの個性とか濃さで押し切ってみてもいいのだが、その意味では今回登場の小豆洗い、小豆はかり、小豆婆はちょっと個性が弱かったと思う。仲間同士で仲違いを起こしその仲間が最終的に皆を諌めるという構図も9話と同じだし。
…まなやねこ娘といった美少女キャラも少ししか出なかったしね(笑)。
まあ1年間も放送するのだから中にはこういう話も出てくるだろうということで。
次回は原作でも歴代アニメ版でも単話ながら力を入れて描かれることの多い悪魔ベリアル。昨今ではすっかり別作品のキャラクター群が定着した感のあるベリアルだが、今期の鬼太郎世界におけるベリアルは鬼太郎とどのように戦ってくれるのだろうか。