2018年11月04日

ゲゲゲの鬼太郎(第6期)29話「狂気のフランケンシュタイン」感想

 ゲゲゲの森を舞台にした鬼太郎たち日本妖怪とバックベアード率いる西洋妖怪軍団との「妖怪大戦争」は、西洋妖怪側の求めるアルカナの指輪が一時的に消失したことにより、半ばなし崩し的に終幕を迎えた。辛くも西洋妖怪を撤退させることに成功した鬼太郎たちではあるものの彼ら自身の被害も大きく、傷ついた仲間たちを前に鬼太郎はついにアニエスを拒絶してしまう。
 ベアードが最終的に世界の支配を目的としているにせよ、少なくとも今の時点では日本に攻めてくる気は全くなく、今回の戦争は言わばアニエスという異分子によって強引にもたらされた天災と言ってもいい事象であっただけに、自らアニエスを受け入れたとは言え結果的に迷惑を被った鬼太郎には同情できるというものだろう。
 さりとてアニエスにもアニエスの事情があるようだが、元々素直ではない性格の持ち主であるだけにその事情をすべて鬼太郎に話すことはせず、ケンカ別れのような形で1人ゲゲゲの森を出て行ってしまう。アニエスの事情とは夢に見た母親の死と関連しているようだが、それが指輪やベアード軍団とどう関係しているのかは見ているこちらにも分かりようがない。

 といった感じで始まった今回の話。西洋妖怪との決戦という妖界での話が続いたために出番のなかった人間界代表とも言うべきキャラクターであるまなが、今話の鍵となっていた。
 「まなとアリエスが友達になる」と大まかの流れだけ短く言葉でまとめるとなんだかご都合主義的に思えるが、実際には指輪に固執し周囲のことを考えず突っ走ってしまうアニエスの危うさ、しかしそのおかげでアニエスを目に留めるまな、1話から描かれた人懐っこさや妖怪を理解したいと思う心からアニエスに積極的に話しかけると、これまでの話の中で描かれてきた2人の個性を踏まえた上での出会いを丁寧に描出していた。
 敢えてご都合主義的な面を挙げるとすれば、今話でいきなり個性を発揮するようになったアニエスのホウキだろうか(笑)。
 人懐っこいまなの行動やホウキのアシストもあってアニエスは初めて笑顔を見せる。日本に来てから初めて見せた笑顔と笑い声、それが本来アニエスが持っている個性であろうことは想像に難くないし、まなと一緒にいることでそれが引き出されたという時点で2人の「友達」という関係は決まったと言ってもいいのだろう。
 それをわかっているから、異国での初めての友達を危険な目に合わせたくないからとまなの元を去ろうとするアニエス。そんなアニエスに鬼太郎が助け舟を出したのは、かつて自分も同じ理由でまなと距離を取ろうとしていたこと、そしてそれは自分でも気づかぬうちにまなを大切に思うようになっていたからだということを思い出していたのかもしれない。そしてその時の自分と同じ行動をまなのために取ろうとしているアニエスが、根本的には優しい子なのだということを察したのだろう。
 まなやアニエスだけでなく鬼太郎自身においても過去の挿話で描かれた個性を踏まえた上での描写を盛り込み、それでいてヴィクター・フランケンシュタインという西洋妖怪の脅威と、彼に対する共闘と前述の助け舟を挟むことで鬼太郎とアニエスの融和も描出するスタッフの手腕は相変わらず巧みである。
 今回の敵は前述のとおりフランケンシュタインのみであったが、人造人間とそれを生み出す博士という原典における二者の個性を同一化した今作独自のキャラクターのみならず、原典の人造人間のように花嫁を求める描写まで盛り込まれ、まさにフランケンシュタインとしての魅力を遺憾なく発揮したと言っていいだろう。指輪を求めるための情報も手に入れたようだし、これからは全面戦争ではなく指輪を求めての小競り合いも行われるかと思うと、こちらも期待大である。

 次回登場するのは女吸血鬼のカミーラ。ハロウィンをモチーフにした話になるようだが、主に戦うのは同じ女妖怪であるねこ娘になる模様。まなも交えてどのような展開になるか楽しみである。


posted by 銀河満月 at 15:16| Comment(0) | ゲゲゲの鬼太郎(第6期)感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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