2006年09月17日

シムーン23話と24話の感想

 やっとシムーンの感想を書くことができるようになった。いや、単に遊び呆けていて、ネットをやっていなかっただけなんだけども(笑)。
 更に言えばアニマックスで始まったイデオンが存外に面白かったので、そっちに夢中になってしまったと言うのもあるかな。

 まずは23話「永遠の少女」の感想。
 和平条約の締結と言う、極めて受動的な形で戦争終結を迎えることができたコール・テンペストの面々だけども、やはり決定的な終結感覚のようなものが低いためか、みんな今一つ現実的なこととして受け入れることができていない様子。
 シムーンの面白いところは、戦争中の状況変化が決してテンペストの行動によって動いているわけではないってことだね。テンペスト自体は色々作戦行動を取っていたけども、それが直接的に宮国を有利に導く行為になったことはほとんどない。だからこそ完結感が低いのだろう。
 これは見ている視聴者の側も同じことで、ガンダムですらラストには「アムロとシャアの(とりあえずの)決着」という、完結感を高めるイベントが用意されていたわけだが、シムーンにはそれすらなかったわけで、「戦争」を状況設定に入れていた作品にしては珍しいことだ。

 コール・テンペストが解散を命じられることで、各員共に否応なく性を決める=大人になることを余儀なくされるようになる。
 正直このあたりの流れは唐突かなあ。性別を決めるという、この作品の根幹テーマに関することまで、受動的に強制されると言うのはどうも、ね。
 ネヴィリルはそれとは別に違う世界のことを色々考えているようだけども、アーエルは今までとは打って変わってネヴィリルを避けるようになってしまう。
 原因はもちろんネヴィリルが今尚アムリアのことを考えているということについての嫉妬なんだけども、この嫉妬心から出てくるアーエルの行動が、嫉妬と言うより本当に「焼きもち」と言う感じで、見ているこっちとしてはなんだか微笑ましくなってしまうから不思議だ(笑)。これはアーエルというキャラクターのもつ個性故の特性だろうね。
 パライエッタもようやくネヴィリルと正面から向き合えるようになった矢先、取り乱した宮守が割り込んできて、新世界の話を持ち出してきたため、パライエッタもネヴィリルが隠していた秘密に気づいた様子。

 一方ユンは1人泉へ行き、オナシアと対峙していた。そこでオナシアから語られる事実は、かつて自分がコール・デクストラの一員であり、大人になることを選択しなかった人間であると言うこと。そしてそれ故に自分の体は崩壊に向かっているということだった。
 「大人になる」ことを選択しなかった場合はどうなるのかをビジュアルで示すのは、オナシアとユンを結びつけるという作劇の都合上、必要なことだったんだろうけど、ここまでわかりやすくビジュアルで見せてしまうのもどうかとは個人的に思う。「大人にならなかったら体が崩壊する」→「だから誰もが大人にならないといけない」という強制性が生まれてきてしまうような気がするのだが。
 自発的な成長を促す要因にはならないように思える。
 ここに来てユンが目立ち始めてきたのは嬉しいことだけども(笑)。

 続いて24話の感想。
 コールの解散に伴い、全員泉へ行くことを強制されてしまうテンペストの面々。
 「少女」でいられる残りわずかな時間を、みんなは様々な思いを抱いてすごす。アルティは怯えて思わずカイムに助けを求める。フロエは今一つ実感が持てない様子。
 そしてアーエルは新世界の話をするネヴィリルを未だ拒絶する。ネヴィリルの思いや自分がどう見られているかなど、まったく気にしていなかった当初のアーエルから比べると、かなりの変化だ。これはアーエルの成長と言っていいだろう。

 戻ってきていたユンは、マミーナの荷物を取りにきたロードレアモンとの会話で、「誰か1人くらいなら守ることができるかもしれない」と言うことに気づき、再びシミレで旅立っていく。その行き先は…。
 そしてパライエッタは集まっていたみんなに、ネヴィリルから聞いた「違う世界」についての話を始める。
 自分達が少女として生きていた頃の証として、アーエルとネヴィリルは違う世界で性を決めないまま行き続けるという話を聞き、心なし安堵の声を上げる一同。
 一方ネヴィリルはアーエルに、「死ではなく、生に向かって生きるあなたが好き」と、今の自分の正直な気持ちを吐露する。
 アーエルとネヴィリルとの出会いで、変わったのはアーエルだけではなく、ネヴィリルもだった。今の自分の気持ちを素直に見つめることができるほどに。一方のアーエルは今まで経験したことのない感情を味わってしまい、まだ戸惑いを隠せない。

 アルクスプリーマを飛び出したユンは泉に向かい、再びオナシアと対峙する。
 今まで自分が担ってきた責をユンに押し付ける形になることを半ば納得、半ば恐れるオナシアに対し、「あなたは綺麗だ」の言葉と共に抱きしめるユン。同時にオナシアは消えていった。
 大人になる少女達を導く役割を担う代わりに自分の体を犠牲としたオナシア、死んでいった仲間の思いを受け継ぐ形で戦争にこだわり続けたユン。経緯はどうあれ結果的に「他人を救うこと」を生きる目的としていた2人が、ここへ来てこういう邂逅を果たすことは、もしかしたら必然だったのかもしれない。

 アーエルとネヴィリル以外のコールメンバーは、列車に乗って泉まで向かう。列車の中ではそれぞれの抱く不安を打ち消すかのように、和気藹々と食事を摂って楽しむ。
 ここで直前まで和やかだったのに、次の一瞬だけ完全に沈黙してしまうシーンがあるけど、これは非常にうまい演出だと思った。何と言うか、別に沈黙しようと思ったわけではなく、たまたま各人が口を閉じたその瞬間が重なり、全体としての沈黙になったと言うその空気が、大人になると言うことへのそれぞれの心情を表現しているようで、巧い見せ方だと思う。
 所謂「一瞬幽霊が通った」って感じだよな、これ。

 泉についた7人が目にしたのは、本来オナシアがいるべき場所に立っているユン。その手にはユンがかつて作ったゆりかごが…。

 24話では性別を決めずに新世界へ行くであろうアーエルとネヴィリルの様子が明確になったと同時に、オナシアの姿を通して、性別を決めなかったが故の悲劇も描かれていた。
 このことも踏まえて、アーエル達が今後どういう行動を取るのか、残り2話になったと言うのに、まだまだ興味は尽きない。
 ただ、上でも何回か書いてるけど、何から何まで受動的に決定せざるを得ない状況に追い込まれていると言うのは、ちょっと物足りないかな。もう少し能動的に見せていれば、キャラの成長をわかりやすく表現することができると思うのだけど。
 まあ、「大人になる」なんてこと自体が往々にして受動的なものだ、と言ってしまえば、極めて現実に即した見せ方であると言えなくもないのだけど。

 24話で面白かったのは、カイムとアルティの関係が少しだけ変わってきていることがわかったことかな。
 2人とも結局昔から何も変わっていなかったのに、それに気づくことができなかった。それがわかったことで、2人も少しは素直になることができるのだろうか。
 カイムはともかくアルティには幸せになって欲しいねえ。子供時代のいかにも女の子したアルティは可愛かったし(笑)
posted by 銀河満月 at 12:45| Comment(0) | TrackBack(19) | マンガ・アニメ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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