2010年10月11日

「心をゆらして」、「だからみんなで」、そして「海はぼくらと」

 去る9月26日、藤子ファンサークル「ネオ・ユートピア」主催の藤子アニメ上映会に行ってきた。
 2年に一度開かれるこのイベントには僕も前々回から参加するようになり、その都度このブログでも紹介してきた(2006年2008年)。

 今回ももちろん「日本テレビ版ドラえもん」が上映されたのだけども、それ以上に素晴らしい内容になっていたのは、上映会の一番最後に行われた、岩渕まこと氏のコンサートだ。
 藤子ファンには今更説明の必要もないほどに周知の事実だと思うが、岩渕まこと氏は最初期の映画ドラえもんの主題歌・挿入歌を歌った方だ。
 「宇宙開拓史」の「心をゆらして」、「大魔境」の「だからみんなで」、そして「海底鬼岩城」の「海はぼくらと」。映画ドラえもんの主題歌イメージを決定付けるのに貢献した3つの歌をすべて歌唱されている。
 3曲とも武田鉄矢氏の情感溢れる詞に、菊池俊輔氏の優しいメロディラインが加えられた、まさに最初期映画ドラを象徴する名曲と言っていい歌だ。
 「心を〜」ではのび太たちとロップルたちの別れのシーンに流れ、二度と会うことが出来ないであろうことを悟りながらも相手を送り出し、また見送られて去っていくという感動的なシーンを一層盛り上げていたし、「だから〜」「海は〜」は激化してきた敵勢力との厳しい戦いを終えて平和な日常に戻った5人を癒すかのように、エンディングを優しく彩っていた。
 そんな歌を歌ってきた方がファンの目の前で歌を披露してくれるというのだから、期待しないではいられない。

 で、「海はぼくらと」から「だから〜」、「心を〜」の順番で歌ってくださったのだが、「海はぼくらと」は岩渕氏自らギターを使っての弾き語りで歌ってくださり、オリジナル版とは異なるバージョンを聴くことが出来た。
 何よりも驚かされたのはやはりその歌いっぷりだろう。30年前とまったく変わらないどころか、昔よりも増したのではないかと思われるほどの圧倒的な声量で、情感たっぷりに3曲を歌い上げておられた。
 良い意味で信じられなかった。無論岩渕氏はプロの歌手なのだから、きちんと歌えて当然と言えば当然なのだけど、あれほどまでに30年も昔の歌を、昔よりも魅力的に歌うことが出来るとは、正直思っていなかった。
 プロの歌手の生の歌声を聞く機会自体、僕はあまり持ったことはないのだけど、今回は本当に素晴らしかったと思う。誇張でもなんでもなく、聞いているうちに自然と目頭が熱くなってきてしまったのだが、こんな経験も生まれて初めてのことだった。
 コンサートの前に、劇中で岩渕氏の歌われた3曲が劇中歌として使われたという関係で、アニメ版「エスパー魔美」の「スランプ」という話が上映されたのだが、この話の原作漫画版には、ゲストキャラの任紀高志(昔は大スターだったものの今は落ちぶれている、岩渕氏の歌はこのキャラの往時の持ち歌という設定)が持ち歌を魔美やピストル強盗の前で披露した際に、魔美や強盗が「すごい歌いっぷりだなあ」「なんだか背すじのあたりがゾクゾクするわ」と感想を漏らすシーンがあるのだけど、まさに岩渕氏の生歌を聞いた僕がそのままの感想を抱いたのだ。体が自然に歓喜に震えてくるという感じ。
 (ちなみに岩渕氏はこの「スランプ」の内容を踏まえて、壇上に上がった時に「任紀高志です」と自己紹介して会場の笑いを誘っていた。日本のみならず世界各国でコンサートを開いているということだが、聴衆を取り込むトーク術も一流でした。)
 このコンサートに参加できたというだけでも、今回の上映会に参加できた意義があったというものだ。

 「日本テレビ版ドラえもん」は、今回は「おせじ鏡大騒動」と「くるった腹時計」が上映された。OP映像のあたりには今までとはちょっと違う技巧も凝らされていたが、肝心の話自体は、やっぱりアレだよなあ。
 富田ボイスのドラえもんに慣れてしまう日が来るとは、つい5年前には想像もしなかったけどね(笑)。

 しかし世界各国でコンサートを開いているという岩渕氏もそうだけど、もう結構なお歳なのにあのあたりの世代の方々は本当にエネルギッシュだなあ。
 帰り際に某氏と話をしたのだけど、「自分らがあの年齢に達してもあんなに飛び回ることは出来ないですねえ」「飯買いに近所の店行くのさえ面倒なのに」みたいなことを言い合ったりしたわけで、なんとも情けない話だ(笑)。
posted by 銀河満月 at 14:22| Comment(0) | TrackBack(0) | ドラえもん・藤子関係 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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