今更言うまでもなく、9月23日つまりは藤子・F・不二雄先生の命日である。
同じような書き出しで始まるエントリを、今からちょうど2年前に書いたことがあるのだけど(これ)、読み返すとなんとも悲観的な内容だ。もちろん書いた当時からして、藤子作品の未来について希望的観測はまったく抱いていなかったのだから、ああいう文章になってしまうのは仕方がなかったろう。
それを思うと、たった2年間で随分と状況が変わったものだと思い知らされる。
これまた言うまでもなく、今年は「藤子・F・不二雄大全集」が発売されている。
このような形でF先生の作品を「完全」に読むことなど、つい2年前には、いや昨年の段階でも想像すら出来なかったことなのだ。
ドラえもんやパーマンはともかくとしても、オバQやジャン黒などは、もしかしたらもうずっと読むことは出来ないのではないか、新規の単行本などが発売されることはないのではないか、などと暗澹たる未来図しか浮かばなかったものである。
それが今やバラ色の未来図をある程度約束されたようなものなのだ。なんと素晴らしいことであろうか。
間違いなく今年はF先生没後の13年間の中で、最もF先生関連の情報やネタが充実している時だろう。
何度でも言うが、本当にいい時代になったものだ。
こんないい気分でF先生の命日を迎えたのは、ドラえもんプラスが発売されていた時期以来だ。
逆を言えばF先生ほどの業績を残された方の作品であっても、それを全集と言う形態で発売するのには10年以上もの歳月を要しなければならなかったと言うことにもなるのだけど。
ともあれ、できるなら来年以降も当分は、F先生の命日をこういう晴れやかな気分で過ごしたいものだ。