2019年06月09日

ゲゲゲの鬼太郎(第6期)46話「呪いのひな祭 麻桶毛」感想

 今回登場する麻桶毛の話も24話の石妖と同じく、80年代マガジン連載版の原作の中では今回が初めてアニメ化された話となる。古い日本人形の怪異という怪奇ものとしてはオーソドックスな要素が主軸になっている話だが、逆にオーソドックスすぎるのがこれまでアニメ化されてこなかった理由なのだろうか。確かに原作漫画に登場する先達の髪の毛妖怪(夜叉や髪さま)に比べると、名前くらいしかインパクトがないし。
 まあその辺の理由はさておき、今話は原作の要素を残しつつほぼ別物の話としてアニメ化されている。原作では単なる古い日本人形だったところを放送日(3月3日)に合わせて雛人形とし、原作で触れられている「御神体として祭られていない麻桶毛」の設定を膨らませたのか、男雛と女雛の人形に取りついている2体、つまり複数の麻桶毛を登場させてそれぞれを鬼太郎やねこ娘、まなと対峙させ、別々の場所での二者二様の様子を見せやすくしているのは巧い工夫だった。人形の中に少女を閉じ込めるという設定から養分を得るために雛人形に変えてしまうという設定に変えたのも、「気がついたら周りから人が消えている」という不気味なシチュエーションを効果的に見せるという点で良い改変だったと言える。学校の廊下に雛人形を飾る流れはさすがに無理やりな気もするが。
 特にアクションは短い時間ながらもVSねこ娘もVS鬼太郎も非常によく動くだけでなく緩急の見せ方も巧みで、原作だと麻桶毛に火をつけて終わりという割とあっさりした決着だっただけに良い意味で驚かされた。この辺は原作と同時期に放送されていた3期版の流れを組んで仲間の助けを借りることが多かった原作版と、基本自分の力のみで決着をつけることの多い今期版との差異が出たというところか。もちろんどっちが良くて悪いというわけではなく。
 あとは原作をここまで換骨奪胎している割に、「麻桶毛に捕まったねずみ男が自分の屁を使って脱出する」という原作のいちシチュをほぼそのままアニメ化するという、変な部分への拘りが見られて思わず笑ってしまった。今話のねずみ男は小学生のコスプレもする羽目になったりとコメディリリーフとして妙な存在感を発揮しているのも面白い。そう言えば歴代アニメ作でもねずみ男は必ずどこかで何かしらの変装やらコスプレやらをしてたっけ。
 小ネタとしては女雛の方の麻桶毛を演じていたのがねずみ男を演じる古川登志夫さんの奥さんである柿沼紫乃さんだったというところか。古川さんも自身のツイッターでこんなことを呟いたりしているし。

 と、粗筋だけ書けばアクション面もコメディ面も見どころの多かった良質な1話完結話…となるのだが、今話の中でも鬼太郎やねこ娘の知らないところで最終局面に向けて、密かに事が進行していた。
 女雛の麻桶毛に襲われ絶体絶命のまなを助けたもの、それは他でもない自分自身の体から発せられた力だった。もちろんまな自身にその自覚はない。これまでの話の中で名無しがまなに刻みつけた五行のうち四つの文字が逆五芒星を形作り、力を放ったのである。
 最後の一文字が刻みこまれていない状態でも麻桶毛を魂ごと消滅させてしまう強力な力を発揮するこの刻印、名無しがこんな強大な力をまなに与えた意味は何か、最後の一文字がまなに刻まれたとき何が起きるのか。それが文字通りの最終決戦が始まるであろう次回以降の3話の中で描かれるに違いない。


posted by 銀河満月 at 12:25| Comment(0) | 日記・戯言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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